春はお漬物作りの季節!  

アメリカに移住して多くのことを学び、中でもマクロビオティックで五行の身土不二を勉強した事は私の人生を変える重要な教訓の1つ。

四季折々に暮らしながらたくさんの人々が生きている日本で育ち、季節という言葉はよく耳にした。実際には昔から人々は春・夏・晩夏・秋・冬の五季を大切に生きてきたので、五行をすぐ納得。

小さい頃に祖母や母がしていた「※季節の手仕事」。 ※季節の手仕事とは、季節ごとに自分の手で何かを作ること。30年程、住んでいる南カリフォルニアのサンタモニカには、はっきりした四季や五季らしいものはない、でも季節の変化はそれなりにあり、自然の変化を感謝しながら日本伝統の季節の手仕事を楽しんでる。

例えばここの冬は厳しいものではないが周りの大気・空気、そして自分の体のエネルギーの収縮と緊張に気づく。そんな冬に育つ野菜や果物に拝謝を捧げながら手仕事をする。

1月の季節の手仕事は、りんごジャムと柑橘マーマレード(通常はみかん)作り。でも、今年初めて夫とゆずマーマレードを作ってみたら、とても美味しかった。 キンカンシロップもこの時期に作ってお湯に注いで飲むと喉の痛みを和らげ冬には欠かせない。

2月は味噌作り。麦みそと米みそを少量ずつ作って、旧正月を祝い本当の意味での新年を感じる。

その後、サンタモニカには突然春が訪れ、毎年冬を押しのけます。春はエネルギーが湧き上がり、酸味のある味わいが五行で肝・胆のうの働きをサポート、という事で3月はぬか漬け。

新しい玄米糠を手でゆっくり炒りながら、何をこのぬか床に漬けて美味しいぬか漬けを作ろうか考えるのが好き。炒った糠を古い糠床に追加して、ぬか床完成。暖かくなる前のぬか漬けは、冬に育った大根とかぶがピッタリ。甘い味の人参もぬか漬けの酢ぱっさに最高に合う。白菜やキャベツも漬けて、暖かくなってきたらキュウリのぬか漬けは最高。後、春になると作るのは浅漬け(サラダのような味がする短時間で作れる漬物)。

日本では、漬物は古くからご飯やみそ汁と並んで主食の一つだった。

私の育った家でもよく各食事に漬物が出てきたんだけど私は若い頃、変なにおいがするし、塩っぱすぎて酸っぱすぎて、日本の伝統的な漬物があまり好きじゃなかった。食べるとしたら甘みのある麹漬けの漬物だけだったのを覚えてる。

母はいつも「あー、また漬物食べてないね…漬物は体にいいから食べなさい!」と言ってた。でも私が泣きそうになると「もう、仕方がないわね。大きくなったら漬物が好きになるから泣かなくっていいよ。」とも言ってくれた。母はなぜ漬物が体に良いのか、私が漬物を好きになるにはどれだけ成長しなければならないのかを決して教えてくれなかったけど、私も聞かなかった。

英語を勉強するためにアメリカに来たとき、まだアメリカの漬物(ピクルス)も好きにはなれなかったけどレリッシュピクルスを試してみたら、甘くて麹漬けの漬物のような気がして少し食べれた。

1993年(平成5年)にマクロビオティックを初めて勉強したとき、私たちの食事に漬物が欠かせないことを知った。漬物は歴史を通じて食品の保存を可能にし、漬物は世界のさまざまな地域で主食となっている事。発酵した漬物は、消化を助け、腸を強化し、食物を吸収し、病気と戦う乳酸菌を促進し、繊維、ビタミン、抗酸化物質の健康上の利点を提供し、食欲を高める。

私は母が言うように漬物を好きになれるくらい十分「成長」していたし、漬物がなぜ体にいいかを理解できた。それから手作りの漬物、日本の伝統的な漬物を作るようになった。毎年、5月が来ると梅干しも作りが楽しみ。(梅干し作りにレシピは英語ですが私のブログを参照。https://sanaesuzuki.com/2021/05/29/santa-monica-homemade-umeboshi-plums/)、ぬか漬け、味噌漬け、醤油漬け、その他、浅漬け、マクロビオティック レシピのプレス サラダのような非伝統的な漬物。

漬物は奈良時代(710~794年)に塩漬けの保存食として始まったと日本の歴史文献で読んだことがあります。そこに書いてあった事は、なすやメロンなどの野菜や桃などの果物が、主に寺僧のおかずとして塩漬けにされていたことがわかりました。

平安時代(794~1191年)に、春にワラビ、フキ、メロンを塩漬けにした漬物が導入されました.茄子、柿、梨を秋に塩、味噌、もろみ、酒粕で漬けました。

鎌倉時代(1180〜1336)から室町時代(1336〜1537)にかけて、茶道の発展と紋香(香)の使用により、人々はますます漬物を食べるようになり、感覚だけでなく、味覚や嗅覚で味や香りを感じるのではなく、その場の空気や香りを心で楽しむこと。これは主に、日本人が繊細で繊細な味覚や嗅覚を好むことが関係していると言えます。漬物には味覚や嗅覚を新たにする効果があるため、お茶会で供されました。

江戸時代(1600〜1868)になると、野菜の種類が増え、全国から多くの商人が江戸に集まるようになりました。その結果、さまざまなピクルスの作り方が考案されました。それまでは食品を保存するために漬けていましたが、研究により短時間で漬けることができるようになり、より手軽に食べることができるようになりました。

ぬか漬けの出現は、家庭の漬物作りに大きな影響を与えました。食糧不足や環境保全が問われるこのような時代に、再利用可能な米糠床は重要です。

明治時代(1868〜1912年)、東京郊外やその他の都市部の農家が副業として沢庵漬けや奈良漬けを作り始めました。

大正(1912〜1926)と昭和(1926〜1989)の時代に、漬物製造業が活況を呈し始めました。

長い間にわたって、日本では驚くほど多様な漬物が作られてきていたんだと読んでわかり感動。現在、日本には1,200以上の漬物作りの会社があり、少なくとも5〜10種類のピクルスを作っているし、各家庭がその家庭で受け継がれてきたレシピで漬ける地元の自家製の漬物の他に、常に何種類の漬物が作られているか想像できますね。

残念な事にほとんどの市販のピクルスは、消費者の舌を麻痺させ、偽の風味を作り出すために、インスタント調味料MSG、非天然塩、および砂糖を使用しています。

やはり良質な天然塩素材を使った手作りの漬物は、安全で健康食品で味も抜群なので時間がかかっても自分で作るのが一番。

 
下記は、今日の日本の主な品種である9つの漬物です

1.塩漬け(塩漬け):最も古くからある一般的にどこでも誰でも漬けられるの漬物。

2. ぬか漬け:炒った米糠(米粒を精米する際に取り除かれた米の硬い外皮)、塩、昆布などを混ぜて発酵させて漬ける。家庭用漬物としては昔からある。

3. 粕漬け:漬物は、酒粕(酒を濾した後に残る酵母のもろみ)、塩、砂糖、みりんを混ぜて漬け込む。

4. 酢漬け:酢に漬けた漬物。米酢は漬物用として一般的に使用され、漬物にシャキッとした食感と甘酸っぱい風味を与える。梅酢は塩味と酸味が引き立ち、ピンク色になり大根や生姜などを漬けるのに使われている。その他リンゴ酢も使われる。

5. 味噌漬け:野菜を味噌に漬けて作る。

6. 醤油漬け:醤油ベースで漬け込みます。

7. 麹漬け:野菜、魚、その他の肉などを、麹に砂糖またはみりんと塩を混ぜて漬け込みます。

8. 辛子漬け:塩、辛子、酒などを混ぜて漬ける。

9. 浅漬け:短時間で白菜、大根、きゅうりなどいろいろな野菜で簡単漬ける。

 

私が春によく作っている漬物レシピをシェアします。

ぬか漬け(Love Sanae料理本から編集)

春らしい酸味と塩気、程よい辛味があり、シャキシャキとした食感と爽やかな風味が心地よい、私のお気に入りの漬物。

ぬか床:

  • 糠(玄米糠)1ポンド (454g)
  • 浄水 2カップ 
  • 天然海塩 大さじ2~4 
  • 昆布(5cm) 2 インチ四方 
  • 試し野菜 1カップの小さく切ったにんじん、キャベツなど

作り方:

1. ぬか漬けを作るには、最初のぬか床作りが肝心。大きめのフライパンを中火にかけ、糠の色が少し変わり、ふすまの香りが強くなるまで乾煎りします。焼き色がついたら火を止めて冷ます。

2. 小鍋に湯を沸かす。海塩を加えて混ぜ合わせます。昆布を加え、火を止めて肌温に冷まします。

3. 冷ました糠をセラミック製の壷、木製の樽、またはエナメルかガラスの容器に移します。塩、水を混ぜたものを加えます。手で材料をそっと混ぜて、昆布も加えて玄米ぬか床の土台を作ります。

4. 小さく切った試し野菜 (キッチン タオルで水気をふき取ります) を加え、発酵プロセスを促進します。清潔な綿の布で容器を覆い、一晩冷蔵庫には入れないで日のあたらないところに置きます。

5. 次の3~5日間、1日1回手(手は清潔に洗って乾かして)で糠を混ぜます。この後、試し野菜 を取り除いて捨てます(私はお庭の堆肥箱に入れます)。これでぬか床でおいしい漬物を作る準備が整いました。

6. 野菜の種類にもよりますが、1日~2日か1週間で食べごろになります。根菜や大きめの野菜は時間がかかり、葉物野菜や小さめの野菜は短時間でできます。例えば、人参は2~3日、丸ごと赤ラディッシュは1日、丸ごと小キュウリは1日。大根や赤ラディッシュそしてきゅうりなど水分が多い野菜は外で1日くらい干す事をお勧めします。

7. 野菜を加えたら、容器を冷暗所に置き、*毎日混ぜて出来上がった野菜から取り出し、新しい野菜を入れていく。食べる時は必ず水で糠を洗い流してください。

*毎日混ぜることができない場合は、冷蔵庫に数日から1週間置いておくことができます。置きすぎると野菜の酸味や塩気が増すので気をつけて下さい。しばらく留守(1ヶ月くらいまで)をして混ぜる事が出来ない時、ぬか床 を野菜なしで冷蔵庫に保管してください。その場合、またぬか床 を復活させるには新しく炒った糠を古いぬか床に追加してリフレッシュすることで、ぬか漬け作りを大体再開できます。でも水分が多すぎたりしたら初めから作り直しをお勧めします。

 

あさ漬け 白菜のピクルス

シャキシャキであっさりした野菜が好きな方に、さっぱりとした味わいが人気のお漬物です。

材料

  • 白菜 500g(全体の約半分)
  • 天然海塩 10~20gの(野菜の総重量の2~4%)
  • 昆布 1枚 5cmx8cm/2”x 3.2″(野菜の重さの約0.5~1%)
  • みじん切りの生姜 5g(お好みで)
  • 種なしの乾燥赤唐辛子 2~4個 輪切りにして味を調えます(お好みで)
  • 水(容器の1/3)
  • 重さ – 野菜の重さの約1.5~2倍

1.*白菜を切る: 白菜の根元から約5cmの深さに切り込みを入れ、2つに裂きます。さらに同じように包丁を入れてちぎり、4つに割る。キャベツが大きい場合は6~8 等分に分割してもいいです。

 

2. 漬ける容器の容量の1/3程度の水を加え、塩を加えて溶かす。

3. キャベツを同じ方向に並べる。 2 番目のものを重ねる必要がある場合は、1 番目の層に塩の半分を置き、赤唐辛子と昆布を振りかけます。残りの白菜を反対方向に並べ、2列目に並べ、残りの塩をふりかけます。手のひらでしっかり押さえながら塩水を念入りに塗るようにかけると、水が上がりやすくなります。

4. 落し蓋をして、おもり(私は大きな川石を使ってます)で押します。

薄手の布巾をかぶせて12~24時間放置(寒い時期は24~48時間放置)

5. 食べ頃になったら、食べる分だけ取り出し、漬物汁を絞り、水ですすいでからもう一度絞る。

6. 食べる前に一口大に切り、お好みで**薬味を添える。

*白菜を切る:キャベツを早く漬け込みたい場合は、細かく切ってください。

**薬味:お好みで、いりごまやゆず、レモン、皮などの柑橘類の果汁、おろし生姜を加えるとさらに美味しくなります!

 

豆もやしのサラダ風浅漬け

いつものピクルスとは違い、母が私の好みに合わせてサラダのような歯応え、そして塩気を抑えて作ってくれ、子供の頃も美味しく食べられたもの。今でもおかずとして作ります。

材料

  • 大豆もやし 1ポンド・453g(水ですすぎ、水気を切る)
  • 天然海塩 小さじ1杯
  • 浄水 1/2カップ
  • ネギ  1 本(みじん切り)
  • 炒りごま  小さじ1
  • 炒りごま油  小さじ1~2
  • みじん切り にんにく 1~2片を細かく切る(お好みで特に肉・魚を食べる人用)

1. 鍋に豆もやしを入れます。塩と1/2カップの水を加えて蓋をします。中強火で5分間沸騰させます。水を切る。

2. 茹で上がった豆もやしをボールに入れてネギ、炒りごま、炒りごま油を加えて手でよく混ぜる。

3. その上に蓋として軽量プレートを置き、1時間プレスします。

4. 盛り皿に移します。ご飯のおかずとしてどうぞ。

 

私の春の漬物と薬草茶のクラス3月5日。

春のお漬物をぜひ作ってみて下さいね!

Love, Sanae❤️

この”春は漬物作りの季節!”は「Macrobiotic Today」2023年3月15日号に寄稿したものを日本語に訳したものです。

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