初めてのキモセラピー      (癌化学治療)

このブログは英語で6月12日に書いたものを日本語にしたものです。一生懸命書きましたのでぜひ読んで下さいね。

 

癌専門医師(UCLA病院)から珍しい癌、”びまん性大細胞型B細胞性非ホジキンリンパ腫肝臓ステージ4”(原因は2001年にした交通事故をして輸血した時にC型肝炎になってなった事)と宣告されて、同じガンの治療を経験をした癌専門医師を探したが、ボストンに一人しか見つかりませんでした。衰弱しきっていた私にはボストンまで(飛行機で5時間程)行ってこの癌専門医師に会う事は不可能でした。

UCLA病院の宣告した癌専門医師に紹介の手紙を書いてもらえば、電話でのカウンセリングを受けられるというので紹介の手紙を書いてくれるようリクエストしましたが、検査と診断記録を印刷して送ればいいと言われて紹介の手紙は書いてもらえませでした。
それでボストンの病院の癌専門医師と電話でのカウンセリングはしないままに時が過ぎていきました。 “前回の余命1ヶ月もない”で書いたように日に日に弱っていく自分を感じて、5月19日金曜日、車椅子で新しい癌専門医師に会いに行って、2時間後にはUCLA病院に入院してキモセラピー(化学治療)を始める事になりました。

 

初めの2日間は、私の体がエポック(EPOCH )キモセラピー*を受けられるかどうか調べる必要があって、精密検査をたくさん受けました。

*EPOCH 併用療法はリツキシマブ(リツキサン)と併用して行う5日間24時間毎日投与する強いキモセラピーであるが、5日間、化学治療を受けながら体調をモニター出来き、副作用などを監視して薬の量を変えたりも出来る。

何回も血液検査をする必要があって初日は体が脱水症状に近かった為もあって看護師さんたちはうまく血管から血をとれないで、12回も血管を突かれて私は参ってしまった。それで、仮のPICC(ピックー腕から挿入する中心静脈カテーテル)をまずしてもらいもう何回も血管を突かれなくなりました。

 

650 PICC Temp

仮のPICC(ピックー腕から挿入する中心静脈カテーテル)

 

たくさんの精密検査をしなくてはいけなかったのは、C型肝炎がある私にもしB型肝炎があるとこのキモセラピーは受けられないと言う事や、PET/CT( 機能画像と形態画像の融合による)検査に24年前の卵巣癌の影、そして16年前の交通事故で損傷を受けた心臓と肺もはっきり写っていた為です。キモセラピーは、心臓や肺、腎臓などにもとても負担をかけるので念入りに調べてからドクターたちは準備をしたかったと言われました。血液検査後は 心電図の検査、肺の検査と毎日、検査検査でとても疲れ、あっと言う間に2日間終わってしまいました。
検査の結果を全て確認していただいて、初めてのキモセラピー決行になりました。

 

 

PICC line

正式なPICC(ピック- 腕から挿入する中心静脈カテーテル)

 

日曜の朝、キモセラピーの為の正式なPICC(ピック- 腕から挿入する中心静脈カテーテル)を付けてもらって準備が出来て、お昼後にEPOCHのキモセラピーが始める前にまず第1日目はリツキシマブ(リツキサン)を投与する事を知らされ、始まりが夕方だとわかり、病院のお庭に行く許可をもらった。自宅が病院から近いので家に行ってうちの動物家族に会いに行きたかったのですが、エリックと友人のナンシーは何かあるといけないとお堅いことを言っておうちに連れて行ってくれませんでした。(笑)

 

それで、病院のお庭を少し歩いて、軽いヨガのストレッチをしました。爽やかな風を感じて青空を見上げて自分の心の中の幸せを感じました。

 

2日前に入院した時は歩けないほど弱っていて車椅子でしたが、治療を受ける事を受け入れて気持ちが落ち着いて元気になることだけを考えました。精密検査をしながら弱り切って酸性化していた体に水分および栄養補給点滴してもらい歩けるようになり感謝の気持ちでいっぱい。

 

650 Yoga before Chemo

キモセラピーの前にヨガ

 

病室に戻ると、看護師さんが、「戻って来たのね!」と言ったので、私が「主人と友人は訓練されていて私は病院から脱出できなかった。」と言うと、「二人ともよく訓練された優等生ね。」…「ところで、ヨガを中庭でしていた人がいたと聞いたけど、きっとあなたね。」と微笑みながら言った。今、中庭から戻ったばかりなのに、もう知っていてビックリ。「キモセラピーの前にヨガをするなんてあなたくらいしかいないから…」と看護師さんは付け加えた。

 

キモセラピー前に、ヨガをするだけでなく、病室にクリスタルボールを飾ったり、癒しのストーン、アロマセラピーオイル(フランキンセンス)、バッチフラワー(レスキューレメディ、クラブアッップル)を用意しました。

 

650 Shelf

病室の棚も飾りました。

病室の棚もエリックと一緒の写真、動物家族(クラちゃんたちの)写真、みなさんからいただいたカードを飾りました。アロマディフューザーを使ってアロマセラピーをしていたので、ドクターや看護師さんたちも入って来るたびにとてもリラックスして喜んでいただけ、嬉しかったです。

 

看護師さんが通常の患者さんは、リツキシマブ(リツキサン)を投与するのに4〜5時間かかるけど、ドクターが私の場合は12時間かけてゆっくりすると教えてくれました。リツキシマブ(リツキサン)を投与する前にベナドリル(Benadryl アレルギーに効く抗ヒスタミン剤)を投与されてすぐ副作用が出て血管の中の血液がすごい勢いで動くの感じて、その上、心臓がパクパク早く動くのを感じました。目眩がして話すことも出来ない状態になって怖くなってしまいました。

 

650 Benadry reaction

ベナドリル(薬)の副作用で動けない状態になってしまった。

エリックにすぐ電話してもらい怖いという事を言うと、フェイスタイムでうちの動物家族を画像をすぐ見せてくれて、それで気持ちが落ち着いて恐怖から抜けることができました。

 

他はあまり副作用はなく、少し皮膚が痒くなったくらいでした。

でも、病院では、ゆっくり休むことは出来なく、自分の家の匂い、エリック、動物家族、お庭の樹たち、お花たちが恋しい気持ちで涙が出ました。横になったままでもメディテーションをして第1日目のキモセラピーを乗り越えました。

 

エポック(EPOCH)キモセラピー*は、二日目の月曜日の午後からはじまりました。エポックの薬液はオレンジ色の夕焼けのようでした。看護師さんに「綺麗なオレンジ色なので、きっと私が治る助けをしてくれるね。」と言うと、看護師さんは、「キモセラピーの薬液を綺麗だなんて考えたことがなかったわ。他の患者さんもあなたのようにポジティブに考えてくれたらどんなに良いことでしょう。」と言った。私はただエポック(EPOCH)キモセラピーが私の体の中に投与される前に何か良いことを考えたかったんです。

*EPOCH 併用療法はリツキシマブ(リツキサン)と併用して行う5日間24時間毎日投与する強いキモセラピーであるが、5日間、化学治療を受けながら体調をモニター出来き、副作用などを監視して薬の量を変えたりも出来る。

 

Orange chemo

オレンジ色のエポック(EPOCH)キモセラピー薬液

夕方から始まったエポック(EPOCH)キモセラピーは、初めはスムーズでした。でも夜になって少しづつ重い暗い感覚が始まりました。夜中になって重い感覚は真っ黒なモンスターが私の体の中に入り始め自分の力では防止できない恐怖に変わった。

目を閉じると黒色より暗く黒い影の中にオレンジ色の斑点が敏速に動き回っていました。恐怖さと耐えられない感情。 細胞体に不法侵入者がゆっくり潜入して私を破壊していく。

いてもたってもいられなくなった私は、起き上がり座ってエポック(EPOCH)の管を両手で握っていました。そしてエポック(EPOCH)薬液に話しかけました。

「きっとあなたは私を助けてくれるのでしょう。でもあなたの事を知らない私は重く暗い感覚しか今は感じません。どうか、私の良い細胞を破壊しないで癌細胞を癒す助けをして下さい。あなたには、それが出来る力があるんですよ。」

 

その後、セレニティープレイヤー(ニーバーの祈りと日本では言うそうです)を何回も繰り返して祈った。

God, grant me the Serenity
To accept the things I cannot change…
Courage to change the things I can,
And Wisdom to know the difference.

神よ、

変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

ラインホールド・ニーバー(大木英夫 訳)

 

そして何回も何回も

「これも過ぎ去る、これも過ぎ去る、これも過ぎ去る…」と繰り返して言った。

 

やっと朝を迎えて、胃腸の不快感、軽い吐き気、便秘気味といった少し副作用はあったが、血液検査では初日のエポック(EPOCH)キモセラピーは、うまくいったと確認された。早速、オレンジ色の薬液に私は感謝を伝えた。

 

3日目になって体重がすごい勢いで増えているのがわかった。入院した時の体重は94ポンド(42kg)が104ポンド(47kg)と10ポンド(5kg)増えていた。写真でわかるように体重が増えてふっくらしている私は元気そうですがこれは, 炎症抑制剤として投与されているステロイドの副作用が原因。このまま、体重が増え続けていくと血液凝固などの原因にもなるので、毎朝、ボディースクラブだけでは、十分ではないと感じて、メディテーションの後に軽いヨガもして自分で足と足指などをマッサージ。朝食後と昼食後には 自分が入院している階を全て散歩・マーチした。この時に通りすがる看護師さんたちや患者さんなどが私のマーチを見て笑顔を見せてくれた事が励みになった。(水前寺清子さんの三百六十五歩のマーチを歌ってマーチもしました)。

こうして毎日運動し体をなんとか動かすことによって血液凝固にならなかった事、便秘もしなかったので、
そのための薬も摂る必要がなく良い事がたくさんありました。

 

 

650 Walk

朝食後t、昼食後の散歩/マーチ(ぶら下げたクリスタルがみえますか?)

 

入院中はたくさんの友人が毎日、お見舞いに来てくれました。
お見舞いにレイキをしていただいたりもしました。

エリックは仕事に行く朝6時半前に私の朝食と作ってくれて、それを友人で隣に住んでいるアマンダが毎朝、病院まで持って来てくれました。朝食後は、アマンダと一緒に散歩/マーチして、彼女が帰った後は、休息をとりました。

私が入院していた週、丁度、エリックは午後からの仕事が休みだったので、お昼ご飯を 毎日持って来てくれて、エリックは私の病院食のビーガンバーガーやサラダを食べたりしてました。(笑)
昼食後の散歩/マーチをエリックと一緒にして, エリックは家に戻って動物家族たちの面倒を見て、私の夕食を作ってまた、病院に戻って来てと大変忙しい週だったと思います。でも一緒に、昼食や夕食を食べていろいろ話し出来て、私がキモセラピーを受けていて辛い時でしたが、キモバケーションなどと私が冗談を言ったりして、お互いにベストを尽くして充実した夫婦の時間を作る事が出来たと感謝しています。夕食後は一緒に東京場所の相撲をNHKサイトで毎夜見てからエリックは家に帰りました。

 

 

650 Dinner with Eric

エリックと一緒に病院での夕食。

 

もちろん、ベストを尽くして頑張っていても何回も泣いたりしました。
キモバケーションなんてエリックに冗談を言ったりしても、心の中は、お家に帰りたいと毎日思ってました。
病室の小さな窓から空を見ると、雲や鳥さんたちが私を楽しませてくれて痛みや辛い気持ちから救ってくれました。

ある日は、クラちゃん(昨年、天命した愛犬で私のサービス犬)が雲を通してメッセージを送ってくれて、「約束はママがこっちに来るんじゃなくてクラがまた生まれ変わってママの所に行くんだよ、忘れないでね。」でした。クラちゃんのメッセージで我に戻れて「そうね、クラちゃんが生まれ変わってこっちに来るんだから、ママは頑張って良くなるよ。」って返事がクラちゃんに出来ました。

 

650 Window 05-24-17

 

確か入院して6日目、退院の1日前の出来事…その日は朝からあまり気分がすぐれていなくって、病院にいるのに疲れて来ていて、自分の気持ちをポジティブにしているのにも疲れて来ていたようです。
いつものように朝、4時にメディテーションをしてボディースクラブをして、ヨガもして、足と足指のマッサージもして朝の癒しのミュージックも聴いたのに、気分は落ち気味でした。

病室を掃除してくれる女の人(いつもは男の人なのにこの日は女の人でした)が入って来て、お掃除をしてもいいか聞きました。「もちろんいいですよ」と私は答えた後、彼女はトイレ掃除をまずしてから床をモップしたりしていました。
彼女のお掃除が終わったのを確認して私が「ありがとう!」と言うと、彼女は、「このあなたの病室を掃除出来てとても光栄です。みんながあなたが優しい人であなたの病室は癒されると知ってます。あなたの病室を今日お掃除するようスケジュールをもらってとても嬉しかったです。この部屋はとてもいい香りがして本当に癒しの場ですね。」

エッ、何を言ってるの? 今、聞いた事が信じられないと思いました。
咄嗟に彼女の名前とどこから来たかと聞きました。
メキシコのグアダラハラから来ていて、ロサルバと言う名前だとわかりました。
彼女に私の部屋を掃除してもらえて良かったと伝えました。

彼女が去ってから、大泣きしました。
何故?
よくわかりませんが、私がこうして生きている存在をメキシコのグアダラハラから来ているこのロザルバという女の人に立証してもらえたような気がしたのです。
私の伝えたい意図がみなさんにわかってもらえるかな?

とにかく、この出来事があって気分のすぐれていない自分から脱出でき、
5日目の最終日のエポック(EPOCH)キモセラピーを終わらせる事が出来たのです。

 

みなさんの祈りとサポートに心から感謝します。

癌キモセラピー治療費はとても高金額です。その他、病院代、癌専門医師費なども多額なお金です。医療保険の80%がありますが、残り20%を払うための癌キモセラピー治療費の募金運動をエリックと友人のジェシカ(マクロビオティックの先生)とアマンダ(ヨガの友人)が始めてくれました。 YouCaring Fundraisng to Support Sanae’s Recovery from Cancer

その他、私とエリックの本を購入してサポートしていただくこともできます。

宜しく、お願いします。

下記が私たちの4冊の本です:

Love, Sanae

Love-Sanae-front-cover

 

Love, Eric and Sanae

love-es-front-cover

 

Love, Eric Revised

love-eric-revised-the-front-cover

 

Healthy Happy Pooch

HHP-book-front-cover

 

カードや、ギフト、または、チェック(チェックの宛名はEric Lechasseurでお願いします)を送っていただく時は、下記の住所に送り下さい。

2610A 23rd St.

Santa Monica, CA 90405

 

ひとりひとりの方には、返信は出来ませんが、
みなさんが送って下さる、メッセージ、E-メール、カードや手紙はちゃんと読む事をお約束します。

Love, Sanae 💖

 

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