2024年が終わろうとしている。
この 年は自分にとって行き詰まりを感じ、前に進めなくて、振り返って見て挑戦的な年だった。
しかし、この立ち止まった状態こそが、次のステップに進むために必要な時間なのだと学んだ収穫の年。
もちろん、今はこう書けても、簡単なことではなくって、イライラしたり、悲しくなったり。
しかし、そのおかげで、自分の感情を大切に見つめ、毎日を静かに過ごし、たとえ気分が不安定なときでも、感謝の気持ちを持つ練習がまたできた。とにかく私は自分の感情を観察し- 息を吸ったり吐いたり瞑想。
自分のあんまり好きじゃないところを見てあげる、それは私にとって大切な事。
ある日、小学校の頃、ミシンで自分のお洋服とかいつか作れたらいいなと想像していた事を思い出した。
それはあけみちゃんと言うとってもチャーミングでオシャレなクラスメイトが、
いつもお母さんが作ってくれた素敵なお洋服を着ていたから。
うちの家族は誰もアートやクラフィティーな事をする人はいなかったにも関わらず、自分の手で何かを作ること、少し絵を描いたり、ガーデニング、書道、かぎ針編み、版画などに惹かれて、刺繍を気が向くとしていた。
ミシンの使い方をマスターして、あけみちゃんが着ているような可愛くておしゃれなお洋服を作りたかった。
その頃、家庭科のクラスでミシンを使ってパジャマを作る課題があって頑張るぞって誓ったけど、買ってもらったミシンは学校のと違ってて、10歳の私には使い方を教えてもらわないで使う事は簡単ではなくって、壊してしまった。
その時に大きな声で怒鳴られて叱られてしまった事が原因でミシンを使ってみる自信をなくし、自分はお裁縫は無理だと決めた。
その後は手で作るもの、編み物や織物を覚えて楽しんでいたけど、2017年に近所にお裁縫学校があると知りミシンを使ってパンツを縫うクラスに参加してみた。パンツはミシンで縫えて出来上がったけど、あんまり気持ちは盛り上がらなかったのは何故だったのか。ミシンを使う事はあんまり自分には向いていないのかもとわかった。また、壊すかもという恐怖、それと音が気になった。
お料理ではフードプロセッサーを使うよりすり鉢とすりこぎで胡麻をする方が私の性分にあってるという事かもしれないと同じかも。
日本の伝統刺し子を縁があってするようになって手縫いでチクチクゆっくりひと針ひと針進めていくほうが時間はかかっても確実で自分に合っているとわかった。
パンディミックの時、コロナにかかって毎日、刺し子を刺していて気持ち的に助かったのも覚えてる。
フランス刺繍を小学校以来してなかったけど、今年は草木染めの糸で刺繍の大作を仕上げて手で縫う事の喜びと楽しみ方があらためてわかった。
これは、1993年に卵巣癌になる前に生きていた私には、考えられない。あの頃の私はスキューバーダイビング、スカイダイビングとかしてあっちこっちに行っていた。マクロビオティックの食養で卵巣癌が治ってからはマクロビオティックをもっと勉強して、マクロビオティック講師になって、またあっちこっちと行くようになった。それから、2001年の臨死体験をするようなひどい車の事故で寝たっきりの私。歩行も出来ないと言われて車椅子生活。
そのおかげで座っていてもできる事をして喜びと楽しみを学んだ。
座ってゆっくり手縫いの刺し子、お裁縫をするなんて、このチャレンジがなかったらしていなかったかも。
2017年にリンパ腫のステージIV診断を受け、余命は1ヶ月もないと
ドクターに言われてもなんとかなるように思えたのは、自分の人生をひと針ひと針ゆっくり手で縫うかのように生きるという事を体験してこられたから。
こうしていろんなチャレンジがある中で、自分の肉体と気持ちの変化を受け入れてできる事を少しづつでもやっていける安らかな気持ちが持てる事に感無量。
ミシンを壊した時からこの生き方に進んでいくよう計画されていたのかもと最近はふと思いながら、人生はアニチャ・無常。
一呼吸一呼吸を観察し、刺し子をしながら一針一針自分の人生を縫うように生きていく。
2025 年の巳年に向けて、みなさんのご活躍、聡明なご発展とそして幸に満ちた年となることをお祈り申し上げます。これからもみなさんの癒しをささやかでもサポートできると幸いです。
Love,
Sanae
追伸:初めて刺し子のワークショップを日米文化会館(JACCC)で来る新年1月26日(日)に教えさせていただける事になりました。感謝の気持ちでいっぱい。
https://jaccc.org/events/sashiko-basics-introduction-workshop-for-beginners/